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韓国語の上級敬語の使い分け:압존법・간접높임・-기에 앞서

-기에 앞서(회의를 시작하기에 앞서 한 말씀 드리겠습니다—会議前に一言申し上げます)、간접높임(사장님은 따님이 있으세요—社長にはお嬢さんがいらっしゃいます)、過剰敬語(커피 나오셨습니다 ✗ → 커피 나왔습니다 ○)を学びます。

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A

執筆 Alvin Lim 韓国語教員2級(韓国国家資格)

L5-10 🎯 レベル5 · TOPIK 5 ⚡ 最後に5問クイズ

上級の敬語では、新しい形を増やすだけでなく、誰に敬意を示すのかを正確に捉えます。-기에 앞서 は改まった場面の導入に使います(회의를 시작하기에 앞서 한 말씀 드리겠습니다 — 会議を始めるにあたり、一言申し上げます)。間接的な尊敬表現である 간접높임 では、本人に関わる対象を通して -으시- で敬意を示します(사장님 말씀이 있으시겠습니다 — 社長からお話がございます)。さらに、過剰な敬語を適切な形に直す練習もします(커피 나오셨습니다 ✗ → 커피 나왔습니다 ○)。

5級では、文末に -요 をつけるだけでなく、職場での立場や話題の人物との関係に応じて表現を選びます。

尊敬の -으시- や、謙譲表現の 드리다/말씀 は既習です。今回は、複数の立場の人が関わるときの圧尊法(압존법)、本人に関わる対象を通じた間接的な尊敬表現(간접높임)、韓国でも話題になる過剰な敬語を扱います。

職場の雑談のレッスンに続き、今度は同じ職場でも改まった場面を取り上げます。まず、役職や敬意を表す語彙から始めます。

職場の敬語に関する10語

このレッスンで使う肩書き、動詞、敬意を示す言葉です。

말씀
mal-sseum
お話、お言葉(尊敬・謙譲)
한 말씀 드리겠습니다 — han mal-sseum deu-ri-get-seum-ni-da — 一言申し上げます
높임말
no-pim-mal
敬語、相手を高める言葉
높임말을 써야 해요 — no-pim-ma-reul sseo-ya hae-yo — 敬語を使う必要があります
존댓말
jon-daen-mal
敬語(チョンデンマル)、丁寧な言葉遣い
처음엔 존댓말로 해요 — cheo-eu-men jon-daen-mal-lo hae-yo — 最初は敬語で話します
직함
jik-ham
肩書き、役職名
직함으로 불러요 — jik-ha-meu-ro bul-leo-yo — 役職名で呼びます
상사
sang-sa
上司
상사에게 보고해요 — sang-sa-e-ge bo-go-hae-yo — 上司に報告します
모시다
mo-si-da
お仕えする、お供する(謙譲)
손님을 모셨어요 — son-nim-eul mo-syeo-sseo-yo — お客様をご案内しました
여쭙다
yeo-jjup-da
伺う、お尋ねする(謙譲)
뭐 좀 여쭤봐도 될까요? — mwo jom yeo-jjwo-bwa-do doel-kka-yo — 少し伺ってもよろしいでしょうか
드리다
deu-ri-da
差し上げる(謙譲)
자료를 드릴게요 — ja-ryo-reul deu-ril-ge-yo — 資料をお渡しします
댁
daek
お宅、ご自宅(尊敬)
부장님 댁에 갔어요 — bu-jang-nim dae-ge ga-sseo-yo — 部長のご自宅に行きました
연세
yeon-se
お年、ご年齢(尊敬)
연세가 어떻게 되세요? — yeon-se-ga eo-tteo-ke doe-se-yo — おいくつでいらっしゃいますか

〜するに先立って — -기에 앞서

今回新しく扱う接続表現は、改まった場面の導入に使います。動詞の語幹に -기에 앞서(서) をつけると、「〜するに先立って、〜する前に」という意味になります。スピーチ、会議、報告の始めに使う丁寧な表現です。

-기에 앞서 — 〜するに先立って
動詞語幹+-기에 앞서(서)(〜するに先立って)

회의를 시작하기에 앞서 한 말씀 드리겠습니다 = 会議を始めるにあたり、一言申し上げます 발표를 하기에 앞서 자료를 나눠 드리겠습니다 = 発表に先立ち、資料をお配りします 본론에 들어가기에 앞서 일정을 안내드릴게요 = 本題に入る前に、日程をご案内します 결정을 내리기에 앞서 신중히 검토했습니다 = 決定を下す前に、慎重に検討しました

전에(〜する前に)より改まった響きがあり、書き言葉や式典などで使います。この先は新しい文法ではなく、敬語を場面に応じて使い分ける練習です。

誰を高めるか — 圧尊法(압존법)と現代の使い方

伝統的な圧尊法(압존법)では、話題の人物より目上の人に話す際、その人物への敬語を控えます。할아버지 に 아버지 のことを話す場合、아버지 より 할아버지 が目上なので、父に対する尊敬表現を使いません。

압존법 — 伝統的な圧尊法
압존법:話題の人物より目上の聞き手に対し、その人物への敬語を控える

(할아버지 に対して) 아버지가 아직 안 왔습니다 = 父はまだ来ていません(祖父の前では -으시- を使いません) (사장님 に対して) 김 부장이 곧 온다고 합니다 = キム部長はまもなく来るとのことです(かつては職場でも使われた伝統的な言い方です。現在の職場では使わないとされています) ✗ (할아버지 に対して) 아버지가 안 오셨습니다 = 話題の人物を高めるため、伝統的な圧尊法では避ける形です 現代の職場:부장님께서 곧 오신다고 합니다 = 部長はまもなくいらっしゃるとのことです。現在の職場では 압존법 を使わず、述語で上司を高めます(부장님은 곧 오신다고 합니다 のように 은/는 を使えば十分で、께서 はとても改まった言い方です)

現代の職場では、圧尊法(압존법)によって上司への敬語を控える必要はありません。

国立国語院の案内では、사장님 の前でも 부장님 を高める言い方が認められています。

祖父母に対する家庭内の圧尊法(압존법)は残っていますが、職場で迷う場合には、話題にする上司にも敬意を示す言い方ができます。

本人に関わる対象を通して高める — 間接尊敬(간접높임)

言葉、身体、家族、持ち物など、本人と密接な関係にある対象を述べる述語に -으시- をつけ、本人への敬意を示すことがあります。これが間接的な尊敬表現(간접높임)です。

간접높임 — 間接的な尊敬表現
간접높임:本人に関わる対象の述語に -으시- をつけ、本人への敬意を示す

사장님 말씀이 있으시겠습니다 = 社長からお話がございます(말씀 を通して 사장님 を高めます) 부장님은 따님이 있으세요 = 部長にはお嬢さんがいらっしゃいます 선생님은 시간이 있으세요? = 先生はお時間がおありですか 할아버지는 귀가 잘 안 들리세요 = 祖父は耳がよく聞こえません(韓国語では祖父を高めています)

本人の存在を直接高めるときは 계시다 を使います(사장님이 계세요 — 社長がいらっしゃいます)。一方、本人に関わる対象を述べるときは、通常の述語に -으시- をつけます。말씀이 있으세요 とし、말씀이 계세요 とは言いません。娘や言葉そのものへの敬意ではなく、それを通して本人を高めています。日本語訳ではどちらも「いらっしゃいます」となる場合があるので、韓国語では誰の存在や関係を述べているかを捉えます。

商品そのものを高めない — 過剰な敬語(과잉존대)の修正

間接的な尊敬表現があるからといって、どんな物にも敬語をつけるわけではありません。-으시- で敬意を向ける相手は人です。コーヒーや飲み物、商品のサイズそのものを高めるのは、過剰な敬語(과잉존대)です。韓国のカフェなどでもよく耳にする誤用です。

과잉존대 — 過剰な敬語を直す
과잉존대:商品自体を高める -으시- を取り除く

✗ 커피 나오셨습니다 → ○ 커피 나왔습니다 = コーヒーができました ✗ 주문하신 음료 나오셨습니다 → ○ 나왔습니다 = ご注文の飲み物ができました ✗ 그 사이즈는 없으십니다 → ○ 없습니다 = そのサイズはありません ○ 손님, 주문 도와드리겠습니다 = お客様、ご注文を承ります(人に敬意を示す適切な表現です)

判断の基準は、-으시- が誰への敬意を示しているかです。敬意を向けるのは 손님(お客様)で、주문하신、도와드리다 のように表現します。飲み物自体を高める必要はありません。

物を高める表現(사물 존칭)に気づいて直せると、接客の場面でも、敬意の対象に合った言葉遣いを選べます。

敬語を使って会議を始める

チームの責任者が会議を始め、社長の話を案内する場面です。今回の表現を会話で見てみます。

会議の開始 -기에 앞서 + 간접높임 + 과잉존대 の修正を含む会話
회의를 시작하기에 앞서, 잠깐 안내 말씀 드리겠습니다. 会議を始めるにあたり、少しご案内申し上げます。
네, 말씀하세요. はい、どうぞお話しください。
오늘 사장님 말씀이 있으시겠습니다. 끝나고 질문 받겠습니다. 本日は社長からお話がございます。終わりましたら質問をお受けします。
사장님은 지금 회의실에 계세요? 社長は今、会議室にいらっしゃいますか。
네, 이미 와 계십니다. 자료는 제가 드리겠습니다. はい、すでにいらっしゃっています。資料は私がお渡しします。
아, 커피 나오셨습니다. 드시면서 하세요. あ、コーヒーができました。召し上がりながら進めてください。(韓国語では飲み物に尊敬の語尾をつけてしまっています)
하하, “커피 나왔습니다”가 맞아요. 사물엔 높임을 안 써요. はは、「コーヒーができました」が正しいです。物そのものは高めません。
아, 과잉존대였네요. 고쳐 주셔서 감사합니다. あ、過剰な敬語でした。直してくださってありがとうございます。

시작하기에 앞서 は改まった導入、말씀이 있으시겠습니다 は社長への間接的な尊敬表現です。계세요/와 계십니다 は社長を直接高め、커피 나오셨습니다 → 나왔습니다 は過剰な敬語の修正です。形を覚えるだけでなく、誰に敬意を示しているかを見ながら使い分けます。

⚡ 2分チェック

Q 1 / 5
🎮 レベル5(TOPIK 5)の単語ゲーム →

よくある質問

압존법 とは何ですか。今も職場で使いますか。

압존법 は「圧尊法」といい、話題の人物より目上の人に話すとき、その人物への敬語を控える方法です。伝統的には、할아버지 に 아버지 のことを話すとき、할아버지, 아버지가 아직 안 왔습니다 と言い、오셨습니다 は避けます。

아버지 より 할아버지 のほうが目上だからです。職場でも、사장님 に 부장님 の報告をする際、-으시- を使わず 부장님이 보고했습니다 とする用法がありました。

しかし現在は、사장님 の前でも 부장님 を高めるのが適切とされています。国立国語院『標準言語礼節』(2011)は、職場では 압존법 を使わないとしており、例文は「○○ 과장님은 외출하셨습니다」のように 님 + -시- に 은/는 を付けた形です。

부장님께서 보고하셨습니다 の 께서 も禁止ではなく、とても改まった言い方です。祖父母に対する家庭内の 압존법 が残る一方、職場では相手がさらに上の役職でも、それぞれの上司を高める言い方ができます。

職場ごとの慣習にも注意します。

人ではなく、その人に関わる物事に -으시- をつけるのはいつですか(간접높임)。

間接尊敬(간접높임)は、本人に関わる対象を通して敬意を示す表現です。本人の言葉、身体、家族、持ち物など、本人と密接な関係にある対象を述べる述語に -으시- をつけます。

사장님 말씀이 있으시겠습니다 は「社長からお話がございます」で、말씀 を通して 사장님 を高めます。부장님은 따님이 있으세요 は「部長にはお嬢さんがいらっしゃいます」、선생님은 시간이 있으세요?

は「先生はお時間がおありですか」です。말씀 や 따님 そのものではなく、その背後にいる本人に敬意を示します。

本人の存在を直接高めるなら 계시다 を使います(사장님이 계세요 — 社長がいらっしゃいます)。一方、本人に関わる物事には、通常の述語に -으시- をつけます。

말씀이 있으세요 とし、말씀이 계세요 とは言いません。

커피 나오셨습니다 はなぜ不適切なのですか。どこから広まった表現ですか。

커피 は飲み物であり、この文の -으시-(ここでは 나오셨-)で高める人ではないからです。커피 나오셨습니다 はコーヒーそのものを高める過剰な敬語で、과잉존대 と呼ばれます。

適切な形は 커피 나왔습니다(コーヒーができました)です。同様に、주문하신 음료 나오셨습니다 ✗ → 나왔습니다 ○、사이즈가 없으십니다 ✗ → 없습니다 ○ と直します。

韓国のカフェや店でよく耳にするため、사물 존칭(物に対する敬称)とも呼ばれ、過度に丁寧に接客しようとして広まった表現です。敬意を向けるのは飲み物ではなく、客です(손님、주문하신)。

-으시- で敬意を示す相手は人です。ただし、本人の身体や言葉などを通して間接的に高める用法とは区別します。